ここは、田川郡金田町のB&G海洋センター内のプール。ビート板を使い、バタ足の練習をしているのが林さん(右下写真)。とても66歳の泳ぎに見えない。
昭和13年、宮田町で生まれ、小・中・高校を地元で過ごしたのち、兵庫県尼崎市にある久保田鉄鋼株式会社(現在の株式会社クボタ)に入社。この会社で配管の腐食防止の技術向上のため、日夜没頭していた
。
「一番印象に残っている仕事は、 海外での仕事ですね。ミャンマー には数回出張しました。ここでは、配管敷設工事の指導や長期敷設管
の調査研究を行いました。中東のカタールでは、鋳鉄管の腐食を防 ぐため、現地に機械を持ち込み、パイプにテープを巻く作業を二千本行いました。インドやパキスタ
ンのスタッフ数十人で五カ月間かかりました。どの仕事もいい経験 になりましたね」
退社後、古里に戻り鶴田地区の組合長や水利委員など行った。「兵庫にいても古里のことが常に気に
なっていました。テレビで筑豊の映像が流れてくると食い入るように見ました。だから、戻ってきたら、地域のお手伝いが出来ればと考えていたんです」と話す。そのことが実現に向けて動きだしたのが、昨年行われたアクアビクス教室だった。
「アクアビクスと聞いたときは、何をするのかイメージできなかったんですが、話を聞いてみると、とてもおもしろそうだったんで
す」。三カ月の教室が終わったと き、多くの参加者から、もっとやってみたいという意見が出された。
「『これだ』と思いました」と林さん。
その後クラブを立ち上げ、活動していくが、練習の施設のことなどいろいろな問題が発生す
る。だが、それを一つひとつ解決していくことでクラブとしてまとまってきたという。現在、金田町のプールで行われているが、6月からは宮田町のB&G海洋センターのプールで行わ
れることになる。
「最終的には、お子さんから高齢者まで、いろんな人が気軽に参加できるクラブにしたいですね。
特に高齢者の人にお勧めしたいです。水の中は浮力が働くおかげで体に負担を掛けずに運動すること
ができるんです。夜は熟睡できますよ。町を活性化させるカギは、高齢者が元気であること。古里を思う気持ちを胸に、新しいことに取り組んでいきたいですね」。
(左写真宮田スイムクラブ会員と共に)